不動産コラムNo.003
この記事の目次
おとり物件とは
賃貸で部屋を探すときにいきなり不動産屋に行くかたは珍しいと思います。
ほとんどの人がスマホやパソコンでSUUMOやホームズなどのサイトをチェックするかと思います。
目星をつけた物件に問い合わせをして「ある」と言われ、案内できると言われたので
実際に店舗に行ってみると「無い、終わった」と言われるケースや、「申し込みが入った」などと言われ、結果無駄足になってしまいます。
多くの方が「せっかく来たのだから他の物件を探してほしい」となると思います。
仲介業者はこれを狙っています。またそうなるように仕向けるトークをします。
何故おとり広告を出すのか
主におとり広告を出すのは「仲介業者」です。
※貸主は入居者が決まれば家賃収入が入るので、おとり広告をする意味が有りません。
お客様から問い合わせをもらって、来店させないと話が始まりません。
ファーストコンタクトがおとり広告であれ、実際に空いている部屋であれ、賃貸営業マンはどちらでもいいのです。
実際に空いているとしても、その部屋が営業マンにとって美味しい部屋でなければ違う部屋を勧めるのですから・・。
おとり物件を見分ける5つの方法
以下の方法を用いると無駄足になってしまうおとり物件なのかどうかを見極めることができます。
5つの方法をご紹介しますので、ぜひ確認することをオススメします。
現地待ち合わせができるかどうか
現実的に「無い=入居者がいる」物件は部屋の中を見ることができません。
仲介営業は基本的には店舗に来店させようとしますが、別に現地で待ち合わせをして部屋を案内しても問題は有りません。
現地待ち合わせで内覧することを断られなければ、実際に空いていることは間違いないでしょう。
※ただ、実際は申し込みが入っていて2番手になるキャンセル待ちの状況は有りえます。
同じ物件を掲載している別の業者にも問い合わせてセカンドオピニオン的に利用するといいでしょう。
※待ち合わせ直前(1時間前や30分前)に申し込みが入ってしまったといって現地のエントランスから店舗に連れて行こうとする営業マンもいます。
悪質な不動産業者なのでその業者に部屋探しを依頼することは控えたほうがいいでしょう。
別の業者から違う条件で募集されていないか
例えば気になる物件がかなりお得な条件で出ているとすると少し怪しいです。
相場よりもかなり安い賃料や他社より礼金が安く出ているとすればなおさら怪しいです。
仲介業者がオーナーから許可を得ずに勝手に安く掲載して反響を獲得している可能性があります。
空いていたとして、内覧した後に後だしで礼金を高く提示されたり、賃料を高く提示されるケースもあります。
定期借家契約(契約期間に定めのある契約)ではないか
実際に転勤から戻るまでの数か月の間だけ貸したいというオーナーもいらっしゃいます。
短くて2~3カ月、長くて1年など様々ですがせっかく引っ越してもすぐに部屋を探さないといけなくなります。
厳密にはおとり物件ではないですが、住むに当たっては現実的ではないですよね。
※自宅を建て替える間の仮住まいなどとして、特殊ではありますが多少需要は有るようです。
同じ物件がずっと掲載されていないか
賃貸物件の募集掲載スパンは大体2週間から長くても3週間程度です。
「この物件前からずっと出ているなぁ」と思ったら怪しいです。
資料をもらうことができるか
おとり物件を掲載しているほとんどの業者が図面や資料を客に渡したがりません。
「お店に来ないと見せられない契約をオーナーとしている」、などの言い訳を並べます。
真っ赤なウソです。営業トークです。
その資料を持って他社の仲介に行かれることを恐れているだけです。
そもそも資料をメールかFAXで送ることも嫌がるような不動産業者とお付き合いをするのは今後のことも考えると避けたほうがいいでしょう。
そこに住むために住所・氏名・年齢・勤務先・年収・連帯保証人などの個人情報を渡すことになりますから。
番外編
成約済みならまだしも、架空の物件もある
現在はかなり少なくなりましたが、仲介業者が架空の物件を作り上げ、広告することもありました。
適当な物件の写真を寄せ集めて、相場より安い賃料で募集するとそりゃ問い合わせがバンバンきますよね。
ストリートビューで外観だけでも照らし合わせたら案外気がつくものです。
※住所の枝番号が出ていないだけでも胡散臭く感じると思います。
店頭に出ている物件資料は注意!
よく駅前に賃貸仲介のお店があり、店頭に物件資料(路上看板)を張り出していることがあります。
たまにとてつもなく安い物件や掘り出し物があるかと思います。
「気になるなぁ」・「いいなぁ」と思って、フラッと店内に入り、その部屋のことを聞こうとすると、だいたい受付といって名前や住所などを聞かれて肝心の情報を教えてくれません。
何故なら、そんな物件は無いからです。
店頭の資料(図面)や看板の更新ペースはかなり遅いです。
賃貸物件は、仲介業者がFAXで貸主に借り手の情報を送れば押さえることができます。
そんな流動的なものを募集が出ている最新情報をカラーの見易い資料に書き換えて、写真を貼って印刷してラミネートするのは大変手間がかかります。
私の知っている不動産屋は2ヶ月に一回くらいのペースで入れ換えてはいますが、何回も使い回しをしたりしています。
看板や図面に惑わされないようにしましょう。
例外では有りますが、本当に直前で申し込みが入ったりして結果的におとり物件になってしまう、ということも実際有るようです。
すべてがすべておとり物件ではないようですので、ご注意ください。
おとり物件を見分ける方法をご紹介いたしましたが、本当の掘り出し物件が有る可能性もあります。
悩んで万全の態勢を整えるのもいいですが、一度問い合わせてみるといいと思います。
電話対応の仕方や言葉遣いからもその会社としての姿勢が見えてくるでしょう。
※営業の電話がバンバンくるので、「仕事中だから電話はこちらからする」と強く伝えたほうがいいでしょう。
30代・金融系勤務。
物件好きが祟り、物件データベースを立ち上げる。
新築マンションが建つと聞くと飛んでいってしまう。
古い物件も好き。